歯科の予防治療とは、定期的に検診をして歯や歯ぐきの問題を未然に防ぐための治療です。その他、むし歯や歯周病治療後の再発防止や、生涯健康な歯を維持するために有効です。日本では、まだまだ馴染みの少ない予防治療ですが、スウェーデンやフィンランド、ノルウェーなどの北欧ではかなり浸透しているので、子どもがむし歯になるようなことはほとんどありません。生活をする上で欠かすことのできない歯を、3ヵ月に一度の予防治療で大切にしませんか?

予防治療はこのような方におすすめです

など

予防治療のメリット

予防治療をすることで、むし歯や歯周病、口臭予防につながります。また、歯垢や歯石を除去すると、口腔内の環境が整い腸をはじめ体の健康維持にも良い影響を与えます。

そして、万が一むし歯などの疾患になってしまっても、早期発見ができるので痛みや治療費など患者さまの負担を軽減できるのです。初期のむし歯は歯を削らずに治療ができ、歯医者に恐怖心があったり、痛みに弱い方には、特に予防治療のメリットを高く感じていただけます。

当院で行う予防治療の種類

3~4ヵ月に一度、定期的に歯科検診を受診していただきます。検診で確認することは主に次の7項目です。

1むし歯や歯周病のチェック

毎回の検診で、むし歯や歯周病がないかを確認します。万が一見つかった場合は、症状に応じて適切な処置を行います。

2歯周ポケットのチェック

検診ごとに、歯周ポケットに歯石が溜まっていないか確認をします。歯垢や歯石が溜まっているとむし歯や歯周病の原因となるので、歯のクリーニングを受けていただきます。

3レントゲン撮影

視診で確認できる範囲だけの検診は、十分とは言えません。定期的にレントゲン撮影をして、口腔内の状況を確認します。ただし、放射線が気になりレントゲンを希望されない方は、ご遠慮なくお申し付けください。

4噛み合わせのチェック

噛み合わせは、「硬いものが噛めない」、「発音がうまくできない」、「顔の形が変形してきた」などの症状を引き起こします。当院では、『健康な歯を維持するためには、精密な噛み合わせが欠かせない』と考えますので、定期的に確認を行います。

5歯のクリーニング

歯垢や歯石の除去をして、むし歯や歯周病、口臭予防をします。また、クリーニングは歯の表面についた汚れを落とすことができるので、きれいな歯を実現することにもつながります。

6フッ素塗布

フッ素を塗布すると、プラーク(歯垢)の働きを抑制したり歯を丈夫にする作用があり、むし歯や歯周病の予防になります。また、自然治癒力を促すこともできるので、初期のむし歯であれば治療としてもフッ素コーティングは有効です。

7歯磨きの指導

歯磨きをする時の力加減や、磨き残しを軽減するために、癖の改善など正しい歯磨きのやり方を丁寧に指導します。また、歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯の間の汚れを除去したり、マウスウォッシュでお口の中を消毒するなど、より精度の高い歯の磨き方をお伝えします。

定期的な予防治療の効果

定期的な予防治療を継続することで、どのような効果を実感できるのでしょうか。アメリカの論文によると、メンテナンスを受けた人の9割が歯周病の進行を食い止めたのに対し、受けてない人の9割は歯周病が悪化したという研究結果があります。また、メンテナンスを受けた人は、受けてない人よりも歯を失う率が4分の1にまで抑えられたというデータもあります。

このような研究結果から、メンテナンスは非常に有効な治療といえるでしょう。

メンテナンスを受けた人
メンテナンスを受けなかった人

※調査方法:メンテナンスを受けた52人、受けなかった25人の状態を6年後に比較
(アメリカの論文より)

歯周病患者 5年間で歯を失った本数(平均)
治療を受けなかった人 1.8本
治療のみを受けた人 1.1本
治療とメンテナンスを受けた人 0.5本
定期的な予防治療の効果

予防治療をご検討の方へ

毎日丁寧に歯を磨いていても、完璧に汚れを落とすことはできません。定期的なメンテナンスは、通院をする手間はありますが、治療の痛みや治療費、通院の負担を考えたら、3・4ヵ月に一度のメンテナンスの方が圧倒的に患者さまのご負担は少なく済むといえるでしょう。

その他、予防治療を継続することで「生涯自分の歯で食事ができる」「食事から栄養を取り、健康的な生活を送ることができる」「噛むことで脳に刺激を与え、認知症を予防できる」などのメリットも感じていただけます。今後より充実した生活を送るためにも、セルフケアと当院で行うプロケアを併用して、健康で丈夫な歯を維持しませんか。